みんなで力を合わせよう
こんにちは。
3歳児あかね組担任の渡辺です。
2月3日に立春を迎え、
旧暦において”新しい一年”が
始まる日でもありました。
2日は節分でしたね。
こととも保育園では伝統行事を大切にしています。
絵本やおはなしを通して
「節分とは?」を知っている子どもたち。
るり、やまぶき組さん達は
去年の経験もあります。
おはなしの時間に
「もし鬼が来たらどうする?」
「何か準備しておくことはあるかな?」と
話が出ましたが、はじめはみんな
どこか他人事のよう…。
何か行動に移そうとする子はいませんでした。
しかし、節分が近づくにつれて、
「鬼が来た時に身を守るために金棒を作りたい!」と、
子どもたちから声が上がり、
折り紙で手裏剣を作ったり、
新聞紙や雑紙で金棒作りが始まりました。
あかね組さんたちは豆づくりに参加。
年上のお友だちが作る姿を見て、
「やりたい〜!」と、
紙の丸め方を教えてもらいながら
真剣に作っていました。
今年もるり組さんたちが、
「鬼が入ってこないように」と、
柊鰯を作って扉や窓に貼ってくれました。
散歩で公園に行く時にも、
「鬼が見てるかもしれないよね」と、
自分たちで作った金棒を持っていく
るり組さんたち。
“自分たちの身は自分で守る”という
話をしていますが、
手をつないで歩きながら
「守ってあげるからね!」
「鬼に連れて行かせないからね」と、
年下のお友達を守ってあげたいと
声をかける子もいました。
公園に着くと、大きな穴が開いていたり、
木が切られていたり、
鳥たちが集まってきて、子どもたちを囲ったり…。
不思議なことがたくさんありました。
もしかして鬼の仕業…??
鬼対策をもっとしよう!と、
柊に似たとげとげの葉を取って園へ戻り、
対策を強化…。
部屋に入ると、
去年の節分に来て一緒にあそんだ
“オニガワラさん”からの手紙を発見!
今年は出張で来れないとのこと。
「おそろしい鬼がウロウロしているから
気をつけて」と書いてありました。
赤い手形もついていたので
“鬼が来るのかもしれない”と、
よりドキドキする子どもたち。
そして節分の日を迎えました。
朝からお休みしたいと泣けてしまったけれど、
お母さんが用意してくれたきび団子を食べて、
力を付けて来たから大丈夫!!
という頼もしい子も。
園庭へあそびにいく前に、
みんなで話し合いをしました。
「もしかして外であそんでいる時に
鬼が来るかもしれないよね」
「戦う!」
「ぼく逃げるから助けてね」
「豆も持っていかなくちゃ!」と
いろいろな意見が出てきて、
それぞれ豆や武器を持ってあそびに出ました。
あそびながらも
何だかそわそわする子どもたち。
持ってきた手裏剣を投げる
練習をして待ち構えます。
「あっ、鬼が来たよ!」と
気付いた子の一声で、みんな一斉に
大人の周りに集まってきました。
最初は園庭の隅に集まっていた
子どもたちですが、鬼の隙を見て
勇気を出して武器を取りに走ります!
近づいてくる鬼に、
「鬼は外—!鬼は外—!」と
豆を投げる子。
怖くて鬼が来る前から涙が出ていた子も、
豆をたくさん握りしめて投げます。
るり、やまぶき組さんの
後ろへ隠れるあかね組さん。
みんながなかなか近づけないでいる中、
るり組の子が
「ひとりじゃ怖いけど…行ってくる!!」と、
自分で作った金棒を持って挑みにいきました。
近くから思いっきり豆をぶつけると
鬼は退散。
最後は園長のさとみさんが
柊鰯で外へ追い払ってくれました。
部屋に戻り、
「みんなの心の中に潜んでいる
鬼はもういないかな?」と聞くと、
“おこりんぼ鬼”
“お片付けしない鬼”
“お話聞けない鬼”
“好き嫌い鬼”など、
いろいろな鬼が出てきてやっつけたそうです。
節分の行事を通して、今、
自分ができることは何か考えること、
みんなと力を合わせること、
目の前のことを乗り越えていくことを
味わうといった経験が
できたのではないかなと思います。
節分の鬼は空想上の生き物ですが、
サンタクロースと同様に、
大人が介入できない子どもたちの
心の世界に存在します。
鬼に対しての過度な恐怖心は
必要ないと思いますが、
“誰も見ていないからまあいっか”と
つい過ぎてしまうことも、
“いつも誰かが見ている”という存在が、
勇気を出せるきっかけとなったり、
自分がしてしまったことを
見つめ直すきっかけに
なるのではないかなと思います。
子どもたちが一年間、
元気で健康に過ごせますように願っています。
