伝承あそび〜こままわし〜

長い梅雨が明け、
待ちに待ったプール開き！
密にならないように配慮しながらですが、
ますますのにぎやかな声で
夏を感じている主任の河合です。

最近、事務所に
「さとみさん…」と、
園長あての小さなお客さんが増えました。

「コマを回すの、みてください」と、
恥ずかしそうに、でも、気持ちは強く、
その目の奥から
「コマへの挑戦」が感じられます。

ことともでは、生活の中で
「伝承あそび（コマ・けん玉・あやとり・たけうま）」に
触れています。

そのうちのひとつ、
「コマ回し」はとても人気があります。

伝承あそびには
どれも「技」が必要…。
それなりの技が
できるようになるためには、
「目標」を明確にし、
ひたすら練習していくしかありません。

「上手になりたいから努力する」という力は、
すべての子どもに備わっているもの。

その力を
「十分に発揮できるあそび」であることが、
最近の子どもたちの様子から
改めて感じることがありました。

まずはコマにひもを巻き付けます。
コマの角度に合わせて
ゆるみやたるみがないように、
ギュッと引っ張りながら
固く締めていくのですが、
これがとても難しい…。

力を入れすぎるとつぶれてしまうので、
私も何度も何度も巻き直します。
挑戦の時にはなおさら…。
慎重にていねいに巻いていきます。

いよいよ回します。
肘を曲げずに、
手の平が上を向くように、えいっ！

「あ〜、またやっちゃった」と
回らずにしょんぼり…、
でも、またひもを巻いて…。

挫折しそうになるけれど、
きれいに回したいから
何度も挑戦します。
何年かかっても…。

「コマ挑戦」はみんなの前では
注目される緊張もあり、
連続１０回はなかなか成功しません。

そして、ついに！
一年越しで成功した子も！！

ずっとずっとこの日を目標に、
あきらめずにコツコツと
コマ回しを繰り返してきたことを
お母さんも驚いてみえました。

毎日の様子を
お知らせする掲示ボードに
この出来事を書くと、
他のお母さんからも
「おめでとう」
「よかったね」と
お祝いのシャワー。

わが子のことのように喜んで下さり、
コマ挑戦に成功した子も
どれだけうれしかったことでしょう。
感謝の気持ちでいっぱいです。

投げゴマができたら、
次は「線香花火」「手のせ」などの
技に挑戦をしていきます。

先日、卒園しても技の挑戦をしていて、
「できたんですよ！」と
保護者の方に喜びの声を聞きました。

子どもの「向上心」を発揮し、
目的に向かって
主体的に取り組んでいくことができる
「伝承あそび」。

卒園してもコマ挑戦は受付中！

あわてず・あせらず・あきらめず…。
生きていく力をつけていく
子どもたちを頼もしく思います。

私もそんな子どもたちから、
コマの持ち方・投げ方を
優しく教えてもらい、
「いいね」と本気で褒めてもらい、
そのコミュニケーションを楽しみながら
まだまだ練習中です。