絵本の世界をみんなで分け合って
裸足で園庭に出て、
「水、気持ちいいねえ」「ドロドロだあ」と、
泥になった砂場に足を入れて、
水や泥の感触を楽しんでいます。
こんにちは。もも組担任の原です。
昨年度の終わりから、ままごとあそびで
ケーキ作りを楽しんでいた子どもたち。
「平型のスポンジを
ケーキに見立てて遊んでいたよ」
「白い毛糸をクリームにして
トッピングしていたよ」と
前担任からの情報。
それでは”さらにあそびが広がるように“と、
キッチンにはあさぎ組の時に
使っていた具材を用意しました。
進級しても、
遊び慣れたおもちゃがあることで、
新しい環境でもすぐに
好きな遊びを見つけて楽しんでいました。
フライパンに平型のお手玉を入れて焼きます。
隣でも、鍋に平型のスポンジを入れています。
「できた!ケーキだよ」
「わたしはパンケーキ」
どちらもケーキを作っているようです。
でき上がると、お皿に入れて
「はい、どうぞ。食べて」と
言いながら食べさせてくれます。
ところが、ある日…。
ボウルを用意して具材を入れて
おたまで混ぜていたのです。
混ぜていたのは初めてです。
“もしかして、今読み合っている絵本
『しろくまちゃんのほっとけーき』のシーン?”と思い、
「ぼーるはごとごと。
だれかぼーるをおさえてて」と
言い、ぼーるをおさえると、
隣にいた子が「大変、机が汚れてる」と
掃除を始めました。
きっと絵本の1ページ、
しろくまちゃんが材料を混ぜているシーンで、
粉などがこぼれていたことを思い出したのでしょう。
そして、
「ぽたあん」「どろどろ」…
「くんくん」「はい、できあがり」
何度も読み合うことで、
同じ言葉も出てきました。
焼いている途中に匂いをかぎ、
「いい匂いだね」なんて言葉も飛び出します。
そこで、
”もっと楽しむには
何を用意したらいいんだろう?”と考えて、
小麦粉、砂糖、ふくらし粉の容器と
しろくまちゃんが着けている
エプロンを準備しました。
このエプロンが子どもたちに大人気となり、
レジ袋を使い、それぞれの
エプロンを作ることになりました。
そのエプロンを着けて作るのは、
もちろんホットケーキ!
今では、お玉を使い、
ひっくり返すのも上手になりましたよ。
食べることが大好きなもも組さん。
その日のおやつは偶然にもホットケーキでした。
「(保育園のは)四角いね」
「しろくまちゃんのはまるいよ」
「まるいのが食べたい!」
その声を聞き、キッチンさんは快く
「いいね!いっしょにホットケーキを作ろう」と、
おやつの献立の変更をしてくださいました。
そして、別の日、お昼寝から目を覚ますと…。
目の前で、牛乳、砂糖、粉がボウルに入ります。
泡立て器で混ざっていく様子を見て、
「粉がこぼれていないね。上手だね」と
絵本とは違うところも発見。
そして、お待ちかねの焼くシーンでは、
思わず立ち上がりジーっと見つめる子どもたち。
「やけたかな」「まあだまだ」と
じらされ?
「なんだかいい匂いがしてきたよ」と
鼻をくんくん。
そして「しゅっ」「ぺたん」と
いい焼き色が見えました。
「さっきよりいい匂いがする!」
「早く食べたいよ」と
待ちきれない様子。
そして、焼きたてのホットケーキを
みんなで「いただきます!」
1口食べては「おいしい~」と
笑顔がいっぱいに。
絵本を通して、しろくまちゃんになりきって
おままごとでホットケーキを作ったり、
実際にみんなで
ホットケーキができる過程を見たり、
そのホットケーキを
一緒に食べるうれしさを味わいました。
これからもいろいろな絵本の世界を
みんなで分けあって、
絵本をめくる楽しさを味わっていきたいと思います。
