こととも保育園もりやま

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絵本の世界へ

こんにちは。もも組担任の岩尾です。

いよいよ今年度も残りあとわずか。
ひとつお兄さん、
お姉さんになる喜びを感じ、
進級を心待ちにしているもも組さんたち。
この一年を通して様々な経験を経て、
成長がとても見られました。

話を聞く力、想像力、集中力、
あそびに夢中になれる気持ち、
自分でやろうとする意欲、達成する力。
たくさんできることが増え、
身体も心も大きく育っています。

もも組さんたちを
大きく成長させた要因を
振り返ってみると、
一番は、やはり“絵本との出会い”だと思います。

 進級当初は高い位置に掛けてあった
絵本ラックを指さして、
“これ見たい”と要望がありました。

絵本を渡して“どうぞ”ではなく、
大人が手に取り、
子どもの目線に合わせた位置で読み、
“読み合い”の時間を大切にしてきました。

これは文字を教えることや
知識を得ることが目的では決してなく、
大人が自分の声で心を込めて読み、
ゆったりとしたあたたかい時間を
一緒に過ごしていくことを考えてのことです。

はじめは1ページに1文ほどの
簡単な内容の絵本を読み合っていましたが、
今では長いお話も最後まで
集中して聞けるようになりました。

 様々な絵本を読み合って来ましたが、
今まさに、もも組の中で
みんなが大好きな絵本は
「めっきらもっきらどぉんどん」
(作 長谷川摂子 絵 降矢なな 福音館書店)
という絵本です。

このお話は、あそぶ友だちが見つからず、
暇をもてあました主人公のかんたが、大声で

“ちんぷく まんぷく あっぺらこの
きんぴらこ じょんがらぴこたこ
めっきらもっきら どぉんどん”

…と、めちゃくちゃな歌を歌うところから始まります。

木の根元の穴から奇妙な声に誘われて、
かんたはめっきらの世界に落ちて、
不思議な3人組のおばけたちとあそぶお話です。

散歩先の新海池公園は
たくさんの木に囲まれています。
森の中に足を踏み入れ、
一際目立つ大きな木を見つけると、
“ここにおばけたちがいるかもしれない!”
と言い、
“ちんぷく まんぷく…”と
歌を歌う子どもたち。

そして、木の根元の穴に耳をあて、
おばけたちの声が
聞こえてくるのではないかと
じっと息を殺して耳を澄ましていました。

声が聞こえないと、
“ここにはいないねー”と、
移動してまた違う木に向かって、
おなじみの歌を歌いだします。

その声につられて
周りの友だちがやってきて、
みんなで歌い、大合唱になりました。

物語の中のおばけたちと
一緒にあそびたくて、
みんなで夢中になって
「めっきら」の世界につながる
入口を探し回りました。

中には耳を澄ますと、
“おばけたちの声が聞こえてきた”と
驚く子もいました。

頭の中で色々な想像が掻き立つほど、
お話の世界に入り込んでいるのですね。

物語の中には
“もんもんびゃっこ”という
縄跳びの名人のおばけが登場します。

園庭では大縄跳びに
挑戦中のもも組さんたち。

“もんもんびゃっこみたいに上手に跳びたい”
“135回跳ぶぞ!”と
意気込んでいる子もいます。

この135回という数字は
物語の中で主人公のかんたが、
もんもんびゃっこと縄跳びを
一緒に飛んだ回数です。

物語の中から憧れの気持ちを抱き、
夢中になれることも見つかりました。

子どもたちにとって、“憧れの気持ち”は
とても大切なものだと思います。

憧れている人のようになりたいからと挑戦し、
努力し、結果をつかみ、自信を得て、
さらには新たなことに挑戦していく…という
生き方のや態度の基礎と
なるのではと感じています。

この絵本は2月からの新しい絵本で
まだ子どもだけでは
読めないだろうということもあり、
自由に手に取れる絵本棚ではなく、
絵本ラックにおいて大人と一緒に
読み合うことにしていました。

しかし、子どもたちが
絵本棚から違う絵本を手に取り、
大人が読んでいるのを真似しながら、
この「めっきら もっきら どぉんどん」の
内容を読んでいたのです。

驚くことに、
大人と何度も読みあってきたことで、
文字が読めなくても全て文を暗記して
スラスラと読めてしまう子も
何人かいるほどでした。

この絵本は横開きですが、
もんもんびゃっこと縄跳びをするページのみ、
縦開きになっているのですが、
そのページの言葉を読む時には
絵本を縦に開いて読んでいたのです。

これには本当に驚き、
自分でも読めるように
すぐに絵本棚に出すことにしました。

こんなにも大好きになれる
素敵な絵本に出会えたことを嬉しく思います。

大人もいつまでも童心をもち、
子どもと一緒に感動したり、
共感したりしながら、
絵本の世界観を楽しみ、
ワクワク、ドキドキの気持ちを
忘れずに楽しんでいきたいです。

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