こととも保育園もりやま

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飛び立つとき

空が高く、
さわやかな風が吹きぬける
気持ちの良い季節になりました。
園庭に立つ鯉のぼりが泳ぐ姿を
2階のあさぎのお部屋からも、
時折「さかな…」と言う子もいる中、
眺めています。

1歳児あさぎぐみの荒川です。

この4月に入園された
5人のお友だちを迎えて、
あさぎぐみさんの新しいお部屋での
生活が始まりました。

入園して間もない頃は、
「どうしてここにママがいないの?」
という表情で、一生懸命泣いて
ママを求めている子もいました。

でも、少しずつ少しずつ、
この場所が知っているところになり、
傍にいてくれる大人や
笑ってあそんでいる子たちのことを
「安心してもいい人なのだ」と
感じてくれているようで、
笑顔の時間が増えてきました。

 

テラスであそんでいると、
ふと、てんとう虫が舞い込んできました。
ちょうどお部屋で読み合っている
絵本の1コマを思い出しながら、
「てんてん」と呼びかける子どもたち。

大人の手に取ってみると、
てんとう虫は迷うように
うろうろ歩き回ります。
子どもたちは興味津々で近づき、
囲みながらもそっと見守っていました。

 

次第に、うろうろしながら
てんとう虫は上と下を感じたようで、
空に向けた指の先まで進みました。

先端で止まると背を開き、
中から羽を出しました。
飛ぼうとしているようにも
見えましたが飛びません。

よく見ていると、
何度も挑戦してみるものの
羽の一部が曲がっているようで
飛べない様子でした。
もしかしたら、他にも
風の条件等がてんとう虫には
あるのかもしれません。

飛び立つところが見られるかな?と
つい期待してしまいましたが、
てんとう虫にとって、
飛べない、あるいは飛ばない理由があり、
飛び立つ準備をしていたのですね。

 

あさぎさんたちも、
新しい環境の中で、
自分に触れるものに
アンテナを張りめぐらせて
様々なことを感じていました。

不安な時にはなおさら
アンテナは感度が増します。
だから、涙がたくさん出て
一生懸命気持ちを表してくれていました。

 

 

本当は上手にたくさん歩けるけれど、
しばらく何日か、じっと座って
まわりの様子を眺めていた子。

食べるのが大好きだけれど、
自分の手で触れて確認してから、
少しずつ保育園での食事を
することができるようになった子。

みんなでジャンプしているところでも、
自分の足で少しずつ高さを感じてから
練習したい子。

言葉をよく聞いて理解しているけれど、
自分で発声することには
関心が今はないのよ…という子。

 

 

 

大人からすると、
少し遠回りしているように思う行動も
たくさんあるこの時期。
みんなみんな、それぞれが
いろいろなことを
精一杯感じて、楽しんで、
自分のペースで行動を決めているのです。
「待つ」という気持ちで
温かく見守ってあげたいなと思います。

 

 

しっかり納得できて
自分の足で前に進めることができ、
満面の笑みでこちらを見てくれた時、
できた喜びを分かち合える人に
なれることがとても幸せです。

 

一人ひとりが「どうしたい」と
感じているのかを受けとめて、
他のどの子とも違う
ひとりの人として向き合い、
興味を持ったことを
一緒に存分に楽しんでいきたいなと思います。

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