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やさしく寄り添う、育ち合う
いつもよりも梅雨の知らせが
届くのが早かった今年。
一日中、雨降りだったかと思うと、
爽やかな風が流れる
晴れ間ものぞいたり・・・
空は日々、色々な表情を
見せてくれています。
0歳児もえぎ組担任の荒川です。
窓に雨の雫が
模様のようにたくさんついて、
一緒にながめていると、
それに触れようとずりばいで進み寄り、
手を伸ばしています。
「あー、うー」と
大きな声で感じたことを発し、
そして振り返り、
保育者の顔を見てにっこり。
4月にお母さんから昼間、
離れて過ごす生活が始まりました。
初めての知らない場所で、
様々な人、音、匂いを感じている
新入園児の子どもたち。
担当保育士がスキンシップを
大切にしながら抱きしめたり、
膝に抱っこで座ることで
ゆったりと過ごしながら、
安心して過ごせる所だと
感じてくれるようになります。
すると、少しずつ柔らかい笑顔が
見られるようになり、
楽しいことを自分で見つけようと
するようになってきました。
小さな身体を一生懸命使って
進む姿の横には、
少しだけ月齢が高い
お兄さんお姉さんのあさぎ組さんが、
そっと見守ってくれています。
小さいながらも、
自分よりも小さな子に
やさしくしてあげたいと
感じてくれている様子を
たくさん見かけます。
自分が使っていた玩具を
どうぞと渡してくれる子。
ずりばいをする横に同じように並んで
ハイハイして進み、
視線を合わせて何を見ているのか
感じ取ろうと微笑みかける子。
眠っていると、傍に行き、
そっと頬を撫でてくれる子。
そんなあたたかなクラスの中で、
テラスあそびの際には、
しゃぼん玉を元気に追いかけたり、
貨物列車ごっこをいっしょにしたりと、
0歳児だけでは味わえない楽しさにも
触れて過ごしています。
先日は
3歳児あかね組さんたちから
招待されて、
お部屋に展開された
お寿司屋さんに出かけてきました。
様々な素材を使った
色とりどりの握り寿司が並んでいて、
お店屋さんに扮したあかね組さんは、
そのうちのひとつをお口に
「どうぞ」と差し出してくれました。
もえぎ組さんは
「あ~ん」と大きな口をあけて
食べようとしました!
店員さんにとっては
思わぬ出来事だったようす!
「あかちゃんはまねっこできないのね。
食べちゃうんだね」と気付く機会になりました。
(だってね、とっても
おいしそうだったんですもの・・・。)
また、ある土曜日には、
あさぎ組の女の子が、
大きいクラスのお友だちと
園庭の砂場で一緒に過ごしていました。
「ちっちゃい手だね」
と言いながら、
そっと触れるお兄さんの手。
顔を覗き込みながら、
「何をつくりたいの?」
と聞いてくれるその声は、
とてもやさしくて穏やかでした。
自分よりも小さな子を守りたいなと、
やさしさや気づきが育つ瞬間を
たくさん見ることができます。
やさしくされた記憶は、
その子のありのままの姿を大切にし、
今度は自分以外の人を大切にしてあげたいと
思う力となり、
つながっていくのだと思います。
もえぎ組のお子さんは
次第に、いつも顔を合わせる人が
どの人かわかってきたようです。
目を合わせると安心した顔を
見せてくれるようになりました。
抱っこして腕の中で全身をゆだねて、
穏やかにすやすやと眠る姿を
見つめていると、
大きくてあたたかなものが
心を覆ってくれます。
人は人との関係の中で寄り添い、
気づき、心が育まれていくのですね。
もえぎ組は6月から
新たにお友だちが増え、
2人での生活が始まりました。
一人ひとりを大切に見つめ、
その子らしさが育つように、
あたたかい気持ちで寄り添い
過ごしていきたいと思っています。